

では、車検をクリアするために必要な最低地上高を詳しく解説していくね。
もくじ
車検に通るための最低地上高は何センチ?
一般的に言われる車高とは、正式な自動車用語では最低地上高と言い、地上面から自動車の最も低い所までの垂直距離を指します。
日本では保安基準第3条で規定されており、最低地上高は9センチ以上の高さが必要になります。
なので、車検でもこの保安基準の規定に基づいて検査されます。
ここで言う自動車の最も低い所というは、言葉の通り地上面から車の一番低い箇所を指します。
測定を行う条件としては以下の5つがあります。
- 空車の状態
- 前輪と後輪の中間を計測
- エアロパーツ・ロアアームは除外
- 測定する自動車のタイヤの空気圧は規定された値とする
- 車高調整装置が装着されている自動車にあっては、標準(中間)の位置とする
などがあります。
そしてその最低地上高が9センチ以上あれば、基本的には車検を通ることができます。
ただし、前輪の真ん中から前と、後輪の真ん中から後ろに関しては別の基準があります。
特にマフラーを改造している場合には注意が必要です。
また、サイズの大きい車ほど車高基準が厳しく、最低地上高が9センチから14センチは必要とされていたり、アンダーカバーなどを装着している場合は5センチ以上であったりと、車の状態によっても基準が変わってきます。
車高を図るときの基準は3か所
車検において、地上高は9センチ以上というのがひとつの基準になっていますが、どこの部分が9センチ以上ないといけないのかを、把握しておかなければいけません。
車検前にどの部分を確認すべきなのか、図るときに基準となる3箇所を紹介していきます。
- 車体下側全体
- マフラーの高さ確認
- フォグランプの高さ確認
車体下部全体確認
道路運送車両の保安基準第3条においても規定されているように、車高の高さを計測する場合は、舗装された平面で規定空気圧にしてから行うのが鉄則です。
規定を守ることで車検を通りやすくするだけでなく、車両の安全性を高めます。
車体下部を計測する時は、一番低く見えた箇所を中心に計測するようにしましょう。
定規やメジャーなどを使って、地面から車体下部までの垂直距離を測ります。
通常なら9センチ以上、樹脂製のエアロパーツを取り付けていれば5センチ以上が目安となります。
マフラーの高さ確認
バンパーやサイドステップから地面までの高さに問題がなければ、次はマフラーから地面までの垂直距離を計測しましょう。
下をのぞきこむとマフラーが地面から一番近い場合もあり、最低地上高がマフラーとなっていることも少なくありません。
そのなかでも、タイコと呼ばれる消音機部分が一番低くなることが多いです。
目視で一番低いと感じたら、地面からタイコまでの垂直距離を測ります。
マフラーの場合、最低地上高の基準は9センチ以上となっていますので、それを下回る場合、そのままの状態では車検に通すことが難しくなります。
フォグランプの高さ確認
意外と知られていませんが、車高の高さ確認で重要なのがフォグランプです。
フォグランプとは、霧などで視界が悪いときに使われるもので、ヘッドライトの下に取り付けられています。
一見、車高の高さとは関係ないように感じるかもしれません。
しかし、初年度登録が平成18年以降の車両を対象にフォグランプレンズの下側部分が地面から25センチ以上という規定が設けられています。
車高を低くした影響で基準値を満たしていない場合もあるため、忘れずに計測しておきましょう。
エアロパーツも最低地上高は9センチ?
車高は自動車の最も低いところで9センチ以上必要と述べましたが、エアロパーツに関しては基準が違います。
結論から言うと、エアロパーツは最低地上高に含まれないため、5センチ以上の高さがあれば車検に通ることができます。
だだし、樹脂製であること、ライト類が埋め込まれて一体化されていないことが条件となります。
他にも最低地上高に含まれない部分がいくつかあり、タイヤと連動して上下する足回り部品の下端、自由度を有するゴム製部品、サスペンションなどの足回りは、基本的には最低地上高から除外されます。
つまり、エアロパーツや足回りを除いた車体部分の一番低いところを測り、その部分が地上よりも9センチ以上の高さがあれば、車検を通すことが可能といえます。
特定のパーツは最低地上高から除外される
最低地上高の対象になるのは、固定されているパーツになります。
もしタイヤも最低地上高に含まれるとすると、常に地面に接地しているので、最低地上高は0cmになってしまいます。
また、タイヤを支えているロアアームや操作をするロッドなども、最低地上高を割り込む可能性があるパーツです。
これらの可動するパーツは、最低地上高を計測する対象にはなりません。
ロアアームやロッドなどは、車高を上げても高さが変わらないパーツですので、車高を計測する対象とはならないのです。
その他にも例外的に対象外となるパーツがあります。
では、そのパーツをご紹介していきます。
- マッドカード
- ゴム製の泥除け
- エアダムスカート
- ブレーキドラムの下縁
- 樹脂製のエアロパーツ
これらは計測対象外のため、最低地上高が9cm以下でも問題ありません。
ただし、エアロパーツは地面から5cm以上の高さが必要であり、計測対象ではないからといって、制限なしではないことは覚えておきましょう。
最低地上高が10㎝以上でないといけない車も
通常、最低地上高は9cmと決められているのですが、最低地上高が10cm以上必要な車もあります。
それはオーバーハングが長い車です。
オーバーハングというのは、タイヤの中心から前後にはみ出した部分の事で、この長さによって最低地上高が変わるケースもあります。
基本的にオーバーハングを指しているのは、フロントタイヤの中心からフロントバンパーの先端と、リアタイヤの中心からリアバンパーの先端までの長さです。
車のサイズによって、必要とされる最低地上高に違いが生じます。
車検では実際どうやって車高を測定する?
車検において車高を計測する場合、実はあまり厳密な検査は行われません。
通常は車の下回りを確認した後、車体の最も低い部分の車高を計測します。
計測される場所で最も多いのがマフラーの部分とリアデフの部分です。
なので、車高が車検に通るか心配な人は、この2か所が9センチ以上になっているかどうかをあらかじめ確認しておきましょう。
今までの傾向からすると、マフラーを社外品と交換していて車検で引っかかってしまうというケースが多く見られます。
カー用品店などで車検対応として購入したマフラーも、取り付けた時に車高が9センチ以上確保できているかどうかを、チェックしておいた方が安心です。
また、ウィンカーやフォグライトが付いたバンパーを装着している場合には、バンパーにも車高基準が適用されるので注意が必要です。
タイヤの空気圧を上げてのごまかしはNG!
車高を低くカスタムしている人は、車高の低さが原因で、車検が不合格にならないか不安に感じている人もいるでしょう。
これを回避する方法として皆さんが考えるのが、タイヤの空気圧を高めに入れて車高を高くすることです。
ただし、最低地上高を計測する時の基準で、タイヤの空気圧が明記されています。
そのため、規定以上にタイヤの空気を入れることはできません。
そもそも、タイヤの空気圧は走行や乗り心地だけでなく、燃費にも大きく影響すると言われています。
空気圧を高くすることでハンドリング性が悪くなるなど、走行にも問題が生じてくるでしょう。
本来、タイヤは適正空気圧が決められています。
車検を通すためにタイヤの空気圧を高くすることで、タイヤの寿命を縮めることにもつながります。
安全面の観点からも、無理にタイヤの空気圧を上げ、その場しのぎで車検を受けるより、適正な車高に戻してから車検を受けることをお勧めします。
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